ドラクエ5で印象深いイベントの一つに、キラーパンサーのゲレゲレ(とりあえず、この呼び名に統一する)との再会イベントがある。
「おお、友よ! 君も生き残っていたか!」と思わず叫びたくなってしまったが、ふと疑問が一つ浮かんだのであった。
キラーパンサーって、草食なのか?
そう、ゲレゲレは、カボチ村の野菜畑を食い散らかしていたのだ。だからこそ、村民から、討伐を依頼されたのである。
キラーパンサーは、現実世界のヒョウやトラに似ている。とすれば、肉食であると考えるのが妥当であろう。歯の形状からしても、草食や雑食とは考えにくい。
なのに、ゲレゲレは、野菜を食っていた。非常に不可解な現象である。
カボチ村周辺には、キラーパンサーの餌となるような獣がほとんど生息していないということなのだろうか。あるいは、ゲレゲレ一匹でほとんどの獣を食い尽くしてしまったところに、ちょうどカボチ村が目に付いたということなのかもしれない。
人馴れしているゲレゲレのことだから、村に侵入すること自体には躊躇はなかったかもしれない。
しかし、いくら腹がすいていたとはいえ、野菜を食うという奇怪な行動に及んだのは、やはり納得がいかない。
例えば、あなたは、いくら腹がすいていたとしても、プラスチックや鉄板を食おうなどとは思わないだろう。肉食動物にとって、野菜を食うとは、そういうことのはずなのだ。
それなのに、野菜を食うという行動に躊躇を覚えなかったとすれば、それは、過去に野菜を無理やり食わされた経験があるということにほかならない。その経験によって、野菜が食えるものだということを学習していたのだ。
ゲレゲレに無理やり野菜を食わせたのは、誰だ!?
容疑者としてあげられるのは、アルカパでゲレゲレをいじめていた子供たち、主人公、パパス、サンチョあたりだろう。
ゲレゲレを虐待していた子供たちがきちんと餌を与えていたとは考えにくい。パパスがゲレゲレの世話をしていた可能性は低い。
サンチョも、主人公の旅路に常に同行していたわけではない。旅路の途中でも、ゲレゲレに餌を与える必要はある。とすれば、その役目は、主人公が果たしていたと考えるのが妥当であろう。
よって、犯人は、主人公だ。
幼い主人公には、肉食動物に与えるべき餌についての充分な知識がなかったのだろう。
ビアンカかサンチョあたりに、「野菜をきちんと食べないと大きくなれない」とでも言われていたのかもしれない。それをそのままゲレゲレにも適用してしまったのだ。ゲレゲレにとっては、非常に迷惑な話だ。
それにしても、パパスやサンチョは、その辺のことをきちんと教えなかったのだろうか?
ペットの世話は飼い主である主人公の責任であるとしても、間違った飼い方をしていたら、適切な飼い方を指導してやるのが大人の役目だと思うのだが。
まあ、そのおかげで、ゲレゲレは飢え死にせずにすみ、主人公と無事再会を果たせたのだから、結果オーライだろう(カボチ村の住民にとってはいい迷惑だが)。
人生、何が幸いするか分からないものですなぁ。 |