け:「あーっはっはっはっは! 効かん効かん! ウチにはそんなヤワな攻撃は効かんでェ!?」
ゆ:「あ、あのー? ……ダメだ…聞こえてない…」
ぶ:「今は彼女をそっとしておいてやった方が良い…」
ゆ:「だな…ってーかなんであんな火の海で平気なんだろな?」
そ:「水の羽衣つけてるって言ってましたよ?」
ぶ:「…どこにだ?」
ゆ:「透けてるワケでもないしなー。そもそもさぁ、水の羽衣ってホントに水で出来てンの?」
ぶ:「水で繊維は出来ないだろう」
ゆ:「だよなぁ……」
そ:「でもっ、でもちゃんと着てるって…」
ゆ:「んー、何なんだろな……」
のんきに水の羽衣談義に花を咲かせる3人を尻目に、賢者に地獄の業火が襲い掛かる!!
け:「そんなヤワな炎が、NASA特製の水の羽衣に通じるかーッ!! 天誅!!」
賢者に炎は効かなかった!!
ゆ:「……今さ、あいつNASAって言わなかった?」
ぶ:「アメリカ航空宇宙局のNASA……?」
そ:「そう言えば、何か背中に背負ってますよね?」
ゆ:「あの箱に水が入ってて、服の中にパイプが通っててその中を冷たい水が通ってるってゆーアレか?」
ぶ:「うむ、水冷式の体温維持装置だな。宇宙空間でも一定温度を保てるというアレだ」
そ:「水……ですか」
ゆ:「水だな。確かに」
ぶ:「うむ。水だ」
賢者はいつのまにか敵を全て倒していた!!
け:「はンっ、その程度か!! ウチに炎はもぅ通じんでぇ?」
ゆ:「なぁ、その服……水の羽衣だよな?」
け:「ん? あぁ、あんたらおったんか…せや。水の羽衣やで?」
ゆ:「そのパイプってさぁ…やっぱり中に水…」
け:「しーーっ!! …なんでアンタ知ってん?」
ゆ:「いや、あからさまに…」
け:「えぇかッ!? これはウチとアンタだけの秘密やで? 誰にも言うたらあかんで?」
ゆ:「は? 今更なにを…?」
け:「この秘密…バラしたら命は無いて思うとくんやな……えぇなッ?」
ゆ:「は…はぁ……」
……中身って水でしたっけ?
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